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マクドナルドの「60秒キャンペーン」はそんなに叩かれるべきものなのか?

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正月中に溜まっていた記事を移動の時に読んでいたのだが、やけにマクドナルドの「ENJOY60秒サービス」というキャンペーンが叩かれている。   

「ENJOY60秒サービス」
http://www.j-cast.com/2013/01/04160283.html

なぜ叩かれているかというと、このキャンペーンを開始してから提供するサービスが酷かったらしいのだ。おそらく以下の記事を見てもらえればわかると思われる。

マクドナルドは「3分間待ってやる」キャンペーンをするべき
http://blogos.com/article/53505/
マクドナルドの”60秒ルール”批判が好都合なマーケティングかもしれない件
http://nakatahiroaki.com/macdonalds-60seconds-campaign/

商品の写真を見ると炎上してしまうのも仕方がないように見える。しかし、僕が見るにマクドナルドは戦略上間違ったことをしているわけではないと思う。

上記の記事を見ると、以下のようなことが書かれている。

マクドナルドの上層部は、僕たちマクドナルドの顧客のことを、「60秒でつくってもらえないと満足できないモンスターカスタマー」だ、と捉えている。

「会計終了後から商品お渡しまで、60秒を越えたらお好きなバーガー無料券を。60秒以内に提供できてもコーヒーの無料券をプレゼント!」という前代未聞の従業員いじめのキャンペーンだ。

ネット上では、「従業員可哀想。。」「60秒とかやらんでいいから、普通にだしてくれ。。。orz」「誰得なのこれ…ワロタ」などの批判コメントが多数見受けられ、Twitterではパンからはみ出まくっているタルタルソースと野菜達が惨めに晒されている。

確かに、従業員や顧客視点で見るとそう思うことになるが、経営者やマーケター視点で見ると少し違った見方ができると思う。

マクドナルドはOPEXのポジショニングを取る企業である

まず、マクドナルドは何を強み(価値)としている企業なのかという事である。
マクドナルドは、オペレーショナル・エクセレンス(OPEX)にポジショニングをとる企業である。
OPEXとは、生産方法や販売方法など主にオペレーションにおける優位性を構築することにより、競合企業に対してスピードやコストで打ち勝っていく企業のことを指す。

もう少し詳しく知りたい人は、ナンバーワン企業の法則―勝者が選んだポジショニング (日経ビジネス人文庫) を読むと理解が深まるはずだ。これは1990年代に経営学の世界で何度も議論された内容だ。

例えば、マクドナルド以外にも、トヨタやセブンイレブンなどがOPEXというポジショニングの企業として挙げられる。

語弊を生む発言かもしれないが、マクドナルドの戦略というのは、真新しい製品をガンガン開発するわけでもなく、丁寧な顧客サービスで親近感を得るわけでもないのだ。

ますます語弊を生む発言かもしれないが、僕が小さかったころは安かろう○かろうで売れていた企業だった。それなのに、なぜここまでの企業になれたかは、彼らが徹底的にオペレーションにおける優位性を構築してきたからだ。

オペレーションに関してはロッテリアにもモスバーガーにも追随を許さないエクセレントなものがマクドナルドにはあるのだ。

逆にモスバーガーの味をマクドナルドが追求してしまうと、マクドナルドは今まで自分たちが築いてきた強みを失うことになってしまう。
(それでも昔に比べるとマクドナルドは、オペレーションを向上しながら、めちゃくちゃ旨くなったと思う。これが企業努力だ。)

「60秒キャンペーン」をOPEXとして考えてみる

OPEXというポジショニングを考えた場合、今回の「60秒キャンペーン」というのは、感情的な部分を除けば企業戦略としては別に間違ったこととは思えない。

別に、彼らは「モンスターカスタマーに合わせたわけでもなく」「従業員をいじめようとしたわけでもなく」「話題作りをしようとしたのでもなく」ということではないだろうか。

単純に彼らの強みであるオペレーションを、さらに尖らせようとしたということだと思うのだ。

そう考えると「60秒キャンペーン」は別に間違っていないと思う。消費者を置いてけぼりにしたのは考えようだが。

今回炎上している内容を見ていると、マクドナルド批判をしている人たちは結構いるのだが、戦略にまで触れている人はほとんどいなかったようなので少し書いてみた。

「60秒キャンペーン」は戦術としてどうなのか?

あんな写真を見てしまうと叩かれてもしかたないかなと思わざるを得ない。食べたいか食べたくないかで言ったら、食べたくないとなりますわな。
しかし、マクドナルドの経営企画の人間が「60秒キャンペーン」を実施することで、サービスの質が低下することを予測できなかったとは思えないのである。

僕の勝手な憶測だが、今回のキャンペーンは両刃の剣を覚悟でおこなったのではないかと思う。

オペレーションに改善を加える場合、オペレーションを司る「システム」か「人」のどちらかに手を付けなければならない。

今回の場合は、「人」となったのだろう。

そして、「人」に改善を加える場合、「人員補充」か「技術」か「マインド」のどれかに手を付けなければならない。

今回の場合は、「マインド」となったのだろう。

そして、「マインド」に改善を加える場合、「教育」か「規律」のどちらかに手を付けなければならない。

今回の場合は、「規律」となったのではないだろうか。

つまり、マクドナルド経営陣に課された問題は、

「マクドナルドの研修では補完できない部分をより高め、オペレーションを更なる高みに持っていくためにどうすればいいのか?」

であり、

それに対する答えが「60秒キャンペーン」という名のルール(規律)だ。

そして、それに付随する今回の炎上リスクは織り込み済みということではないだろうか。キャンペーンということもあり期間も限られているので、兜の緒をしめるということなのだろう。

最後に個人的な意見

このキャンペーン実施は経営者として流石と思わされるものだった。
たぶん今の僕にはできない。
これは、楽天の英語必須やユニクロの低価格戦略と同じくらいの離れ業なのだ。

このキャンペーンに触れる多くの人がマクドナルド経営陣以外の人間だろう。そうすると驚くほどのアレルギー反応に経営陣はさらされる。
それでも実行する会社、経営陣というのが世の中に価値を提供していることも確かだ。周りから何を言われようとやってしまう。

誤解を生まないように書くのが非常に難しいのだが、「ENJOY60秒サービス」の中身に関しては突っ込みどころが満載だったりする。ドミノピザの30分以内配達ルール廃止の歴史を鑑みれば個人的にはやっちゃいかんよねと思う部分もちらほら。細部をつつき始めたらキリがない。
あくまでも実行してしまうあたりが流石という感じである。

そんな現実を見れば見るほど僕は経営者として何が正しくて何が正しくないのかわからなくなる。ここまでしなければ世の中に良いサービスを提供できないのか、と。

まぁ、こういった悩みは尽きないなと開き直って、今日も良い経営とサービス開発を目指して取り組もうと思う。

※一応、僕はマックのハンバーガー大好きですよ笑

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