これから花粉症の症状がひどくなる時期かと思います。当社でもくしゃみをしている人が多くなってきました。

私も花粉症持ちなのですが、採用の時期に花粉症になるというのは、本当に辛いものです。学生のみなさんと対面で話す機会が多いということは、鼻や目というのはまさに生命線です。学生のみなさんにご迷惑をお掛けしていないことを切に願います。
花粉症のつらさは馬鹿にならないので、花粉症をなんとかしようと思い、今回いろいろと調べてまとめてみました。花粉症の方、花粉症予備軍の方は参考にしてみてください。
花粉症とは?
そもそも花粉症とはどういったものを指すのでしょうか。
まず、アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって2つに分類されます。
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通年性アレルギー性鼻炎アレルゲンが一年中あるので、症状も一年中あります。
主なアレルゲン:
ダニ・家の中のちり(ハウスダスト等)・ゴキブリなどの昆虫、ペットの毛・フケなど。
症状:
喘息、アトピー性皮膚炎などを合併することがあります。
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季節性アレルギー性鼻炎(=花粉症)原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状があります。日本では、約60種類の植物により花粉症を引き起こすと報告されています。
主なアレルゲン:
スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなど。
症状:
鼻の三大症状だけでなく、目の症状(かゆみ、なみだ、充血など)を伴う場合が多く、その他にノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻みずなどのアレルギー症状を起こす病気です。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
最近、通年性アレルギー性鼻炎と花粉症の両方に悩む人や、複数の花粉に反応する人も増えており、ほぼ一年中くしゃみ・鼻みず・鼻づまりや眼のかゆみ・異物感に悩まされるという人も少なくありません。
なぜ花粉症が起きるのか?
(1)私たちの体は、‘花粉’という異物(アレルゲン)が侵入するとまず、それを受け入れるかどうかを考えます。
(2)排除すると判断した場合、
(3)体はこれと反応する物質を作る仕組みをもっています。この物質を「IgE抗体」と呼びます。
(4)抗体ができた後、
(5)再び花粉が体内に入ると、鼻や眼の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合します。
(6)その結果、肥満細胞から化学物質(ヒスタミンなど)が分泌され、花粉をできる限り体外に放り出そうとします。
※ポスタルくらぶより引用
そのため、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水・涙で洗い流す、鼻づまりで中に入れないよう防御するなどの症状がでてくるということです。
花粉症を撃退する方程式
上記を踏まえた上で、私は以下のように考えています。
花粉症症状の緩和=アレルギー反応を起きにくくする×花粉との接触回数を減らす×花粉接触後のアレルギー反応を抑えるそれでは上記の方程式に沿って、撃退方法を分類していきましょう。
アレルギー反応を起きにくくする(アレルギー体質の改善)
生活習慣の改善■
疲れをためない疲労は自律神経を過敏にし、アレルギー反応を起こしやすくします。十分に睡眠をとり、疲れた体を休めましょう。
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ストレスを解消する精神的なストレスは自律神経を刺激し、症状を悪化させます。そこで運動などで気分転換をしてみましょう。血行をよくする運動、とくにアレルギー体質の改善に有効な水泳はおすすめです
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刺激物を避けるお酒や香辛料などの刺激物は、鼻の粘膜の毛細血管を広げ、鼻づまりをひどくします。
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栄養バランスのよい食生活を習慣にする栄養の偏りは、からだに様々な変調をきたします。ファーストフードやインスタント食品のとりすぎには注意しましょう。
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皮膚を鍛(きた)える皮膚を鍛えると、抵抗力が強くなり、過敏な体質を改善することになります。乾布摩擦や冷水浴を定期的に行うほか、普段の生活でも、顔を洗うときに冷たい水を使ったり、薄着を心がけたりする習慣を身につけましょう。
薬の使用■
鼻の症状に対する治療花粉症の治療では、花粉の飛び始める2週間くらい前から症状を抑える薬(抗アレルギー薬)の使用を始め、シーズン中も継続するとより高い効果が期待できるといわれています。
花粉症などのアレルギーは、症状が悪化すると薬が効きづらくなります。しかし、軽いうちに薬を使い始めると、花粉の飛散量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすく、そのシーズンの症状を軽くすることができます。とくに、毎年の症状が中等症以上になる方で、楽にシーズンを乗り切りたいと考えている方にお勧めです。
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鼻の症状への効果的な薬の使用初期療法には、主に第2世代抗ヒスタミン薬などの内服薬、点眼薬が用いられます。症状が重い場合には鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)などが併用されます。効果の高い第2世代抗ヒスタミン薬を用いれば、併用薬の量、期間を少なくする効果が期待できます。
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目の症状に対する治療花粉飛散開始日前から抗アレルギー点眼薬をつけ始める治療法になります。こうすることで、花粉飛散ピーク時の眼の症状を軽くしたり、症状がでている期間を短くすることができます。抗アレルギー点眼薬の中で主にケミカルメディエーター遊離抑制薬を含む点眼薬が用いられます。
これには、かゆみや充血を引き起こすヒスタミンなどが目の粘膜(結膜)に遊離するのをおさえる作用があります。また、既に遊離されたヒスタミンの働きを抑える作用(抗ヒスタミン作用)を併せ持つ点眼薬もあります。
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目の症状への効果的な薬の使用抗アレルギー点眼薬が第一選択薬ですが、中でも、抗ヒスタミン作用を持つ点眼薬には、即効性が期待できます。
花粉との接触回数を減らす
室外の対策■花粉飛散情報に注意する(晴れて風の強い日は外出しない)
とくに、昼前から午後3時頃までが花粉の飛ぶピーク。この時間帯だけでも、なるべく室内にいたいものです。
■プロテクター付のメガネやゴーグル、マスク、スカーフ、帽子を着用する
■花粉が付きにくい、スベスベした生地の服を着る
■髪をコンパクトにまとめ、花粉が髪につかないようにする
■家に入る前は玄関先で、衣服や髪、持ち物についた花粉をはらう
室内での対策法■窓はなるべく開け放さない
換気するなら、花粉の飛ぶ量が少ない夜間か早朝にします。
■空気清浄機で室内の空気をきれいにする
フィルター付の空気清浄機で、花粉をシャットアウトして、室内の空気をきれいにします。
■室内の掃除をこまめにする
床・ソファー・カーテンなどは、掃除機で花粉を吸い取ります。仕上げに、ぬれ雑巾で、取り残した花粉をふき取ってください。
■じゅうたんは敷かない
じゅうたんは、室内に舞い込んできた花粉が付着しやすいだけでなく、花粉症を悪化させるカビやダニの温床にもなりやすいのです。
■外に干した洗濯物や布団は、よくはたいてから取り込む
洗濯物は、1枚1枚、しっかり花粉をはらい落とします。布団は、まず、十分にたたいて花粉を落とし、取り込んだ後、さらに掃除機をかければ安心です。
花粉接触後のアレルギー反応を抑える
薬の使用■
内服薬内服薬には、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの原因となるヒスタミンをおさえる成分が入っています。鼻、目、のどなどそれぞれに働いて、花粉症のつらい症状をやわらげます。内服薬には、効きめが長く持続するように工夫された薬もあります。
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点鼻薬鼻水、鼻づまりを速やかにとめることができます。また、鼻の粘膜の充血やはれをおさえ、鼻のとおりをよくします。点鼻薬は、眠気をもよおすことが少ないという利点もあります。
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目薬目のかゆみや充血をやわらげます。症状が強くなってしまってから始める治療です。経口ステロイド薬の一時的(一
週間以内)な服用や、鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)なども必要となります。
※花粉飛散ピーク時に症状がひどくなって、抗アレルギー点眼薬で十分な効果が見られない時には、ステロイド点眼薬を併用します。ステロイド点眼薬を使う場合には、眼圧上昇などの副作用防止のため定期的な検査が必要ですので、眼科専門の先生にご相談したほうが良いです。
食物■
甜茶(テンチャ)中国南部を原産地として、バラ科キイチゴ属の植物です。甜とは、「甘い」という意味です。効果ですが、甜茶の成分、肥満細胞からのGODポリフェノールがヒスタミンの分泌を抑える作用があるといわれています。ヒスタミンは、花粉症の鼻水、くしゃみ、アトピーでの痒みの原因物質の1つです。
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グァバ茶(シジュウム)熱帯アメリカを原産とし、日本では、温かい沖縄や九州南部で栽培されています。グァバは日本ではバンザクロやバンジロウと言ったり、中国では蕃石榴と呼ばれたり、また南米ではシジュウムと呼ばれます。葉にはビタミンB群や多量のタンニンなどが、果実には、ビタミンC カルシウム、カリウム、鉄分が豊富に含まれています。花粉症予防や治療として効果があるといわれています。
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べにふうき緑茶日本で、アッサム雑種の紅茶「べにほまれ」とダージリン系「枕Cd86」によって作られました。カテキン含量が多く、メチル化カテキンを多く含んでいます。メチル化カテキンは、茶の主要カテキンで、エピガロカテキンガレートがメチルエーテル化された物質です。肥満細胞のIgEに結合する部分を抑えること、ヒスタミンの放出の抑制によってアレルギーを抑えると報告されています。通年性アレルギー性鼻炎の患者にべにふうき緑茶を6ヶ月以上投与して、症状に改善が見られ、血液中のIgEと好酸球が減少したと報告されています。スギ花粉症でも、べにふうき緑茶を飲んでいる人と飲んでいない人を比較すると、スギに対するIgEと血液中の好酸球数は、スギの時期に、飲んでいない人では増加しましたが、飲んでいる人は変化しませんでした。
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乳酸菌アレルギーのメカニズムで、今まで、乳酸菌は、IgEを抑えたり、アレルギーを抑える「Th1」の働きを強めていたという報告がありました。さらに、マウス実験において、乳酸菌はアレルギーを起こす「Th2」の働きを抑えたという報告がありました。この報告によって、乳酸菌が、「Th1」を増強して、「Th2」を抑制して、IgEを抑えてアレルギーを抑える仕組みが判明しました。様々な乳酸菌が花粉症に効果があると言われています。
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ニンニク、玉ねぎ免疫力を高め、肺と気道をきれいにし、炎症を抑制し、鎮静薬の働きをし、尿の出を良くするといった働きをします。また、玉ねぎの皮にはケセルチンが含まれており、花粉症に有効な成分として知られています。
最新花粉症治療
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高周波治療法高周波治療機器のソムノプラスティを使用する高周波治療法です。ソムノプラスティによる治療法は、ニードル(針)を鼻に挿入し、粘膜(下甲介)に弱い電流を当てて凝固させます。凝固された組織は1ヶ月ほどで体内に吸収されて下甲介の容積が減少します。その結果粘膜の腫れがなくなり、鼻詰まりが改善するというわけです。
この治療の費用は保険の適用となり、患者さんの負担は15,000円ほどです。
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レーザー治療花粉症でのレーザー治療は、レーザーで感作された鼻粘膜の表面を焦げ落とすことで、その後の抗原抗体反応を起こさないようにする方法です。また効果は1年ほどです。このように鼻の粘膜をレーザーで切ったり焼いたり(笑)する治療は光破壊型治療(HLLT:High Reactive Level Laser Treatment)ともいわれます。レーザー治療はくしゃみ・鼻水には有効ですが、鼻詰まりにはあまり効果がありません。
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下甲介切除術鼻の中には下鼻甲介というひだがあります。その部分の粘膜がアレルギー性鼻炎ではアレルギー反応を起こし鼻詰まりの原因になります。その肥厚した粘膜を下甲介剪刃(はさみ)で切り取る手術です。
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減感作療法この治療法は完治に限りなく近づける治療法で、現在ある治療法の中では唯一の根本的治療法ということができます。花粉から抽出したアレルギーの原因物質を注射すると、それに対するIgG抗体ができます。花粉がIgE抗体に付着して症状が出ることが分かりましたが(⇒花粉症の原因=IgE抗体)、このIgG 抗体ができていると、花粉はIgE抗体に付着する前にIgG抗体に結合し、アレルギー反応が起こらなくなります。
まとめ
基本的に花粉症を根絶することは現代の医学では難しいようです。よって、いかに接触を減らすか、いかに発症を遅らせるか、いかに発症した後症状を抑えるかというのがやはり重要なようです。
方程式はあながち間違っていなかったようですね。
調べた結果なので、あまり間違いはないかと思います。一緒に花粉症を乗り切りましょう!