ユナイテッド・ブックス様より献本御礼。
世の中には経営手法が奇抜な会社が存在する。その奇抜さは、周りの目を引くためではない。真摯に経営に取り組んだ経営者が生み出した本質なのだろう。本質を持った奇抜さが「すごい」と言われる所以であろう。
ただし、”優良企業”と”すごい企業”は違うのでそこは注意してもらいたい。
そして、メディアがその本質を取り上げ用とする時、多くの脚色がなされる。結果、中身の無い企業が取り上げられることも多々ある。反面、有名にはならずともすごい企業はたくさんある。
例えば、伊那食品工業株式会社、根本特殊化学株式会社、株式会社マキオ、株式会社お菓子のポルシェ、セイジョーなどは一般的にはそれほど有名では無いのかもしれないが、私はすごい企業だと思う。
もちろん、本書でも紹介されている任天堂、google、ディズニー、アップル、レゴ、スターバックス、サムスン、IKEAといった有名企業も言わずもがなである。
このような企業に共通しているのが
「変化に対する柔軟性」ではないだろうか。
本書ではその要素を以下のように分類している。
1.考える(任天堂)
2.闘う(アップル)
3.捨てる(レゴ)
4.学ぶ(google)
5.笑う(スターバックス)
6.厳しきなる(IKEA)
7.やり遂げる(サムスン)
8.思い出す(ディズニー)企業というのは、常に右肩上がりに伸び続けるものでもなければ、困難の無い企業もないはずだ。成長すればするほど高度な問題が起きる。自らの問題だけではなく、外部環境にも適応しなければならない。
それを打破する方法が「変化できる事」であろう。
変化に真摯に向き合った結果、”すごい”と言われるだけなのだ。彼らにとって、それは特別なことではなく、日々の積み重ねそのものである。
もしこの本を読むのであれば、
『ビジョナリーカンパニー2』の併読もオススメしたい。
組織に属する人(経営者はもちろん)は、その本質を追究しする必要がある。さらに個人の行動にも落とし込むことが求められるはずである。
最後に、すごい会社という視点ではないが、これから新社会人になる人もいるはずなので、以下の部分を本書から紹介しよう。
「ウェスト・ポイント」という通称で知られる、アメリカ海軍士官学校があります。ここでは軍関係はもちろん、政界から経済界まで幅広いジャンルに優秀なリーダーを輩出しています。その教育方針は、サムスンも真っ青になるほど。とにかく命令されたことは、何がなんでも実行しなくてはならないし、それに慣れるために新入生はとにかく理不尽な指示ばかり出されるとか。軍の教育とは、そんなものかもしれません。
けれども、その教育を受けた人間が優れたリーダーになるのはどうしてでしょう?
それは同じように部下に厳しくできる人になるからではありません。むしろ「自分に対して厳しくなれるから」だと思います。
誰だって難しい問題からは逃げたくなってしまう。避けて通りたい問題はいくらでもあります。でも末端の社員ならともかく、責任を負ったリーダーであれば、そういうわけにはいきません。だからどんな困難な問題も、それを避けずに、ときには厳しい選択をしてまでも乗り越える。試練が当然のようになっている人なら、迷わずにやり遂げることができるしょう。
最近は特に、「がんばり過ぎる必要はない」とか「自分にあった仕事をしよう」という”癒し系”の主張が増えています。けれども、「一度がんばって、とにかく自分なりの仕事のやり方」を見つけないと、結局は自分に合う仕事を見つける機会が得られないのが現実です。